【アジア風・香港だより】スワン・ソング
◆「香港は『スワン・ソング』(白鳥が死ぬ間際に歌う声)、英国植民地時代の最後の成功例だ」。昨夏に発足した「港英管治研究委員会」の発起人の一人、李◆(火ヘンに斤)さんの言葉だ。この委員会は主に1980、90年代生まれの香港人学生から成る。 ◆メンバーは「英領香港」の記憶がほとんどない世代。しかし、もう一人の発起人、梁明徳さんによれば、これまでの香港の歴史は説明が足りない、帝国主義や植民地主義、国際関係、文化意識などを分析・考察し、新たな歴史の解釈を加える必要がある、と彼らは考えた。 ◆このほどプレ創刊した「港英管治研究業刊」は単なる雑誌ではなく、「今の香港政府と中国政府の参考にしてもらいたい」(李さん)と方向性は明確だ。英領時代の記憶がないことを逆手に取り、香港の過去と現在、未来を見据え、あくまで中立の姿勢を貫く。歴史や政治についてさまざまな人々と意見を交換しながら、将来的には本にまとめるという。 ◆香港では近年、80、90年代生まれの世代に関して、過激なデモや自由な言動ばかりが取り上げられることが多い。しかし、彼らのような若者の存在こそが「スワン・ソング」なのではないか。どんな歌声になるか、どれだけ人々の心に響くか。真価が問われるのはこれからだ。(真) 【アジア風・香港だより】2012/03/31 按:接受了一次日本媒體的採訪,因為我的名字沒有對應的日文漢字,故此使用了拆字。